2010年1月5日火曜日

「空元気」で不況が引き飛ばせるという思いこみの方がおかしい

正月が終わり、各社の年頭社長挨拶が新聞で紹介されている。不況の中で現実を正直に言えばみんがが萎縮してしまうから、正月でもあるし出来るだけポジティブなことを言いたいという「社長さん」の思いは分かるが、それも過ぎると現実離れしたマスターベーションに過ぎなくなる。ニッポンは「落ち目」というより、崖から飛び出してしまって「墜落まっしぐら」の過程にある。その現実を直視することから経営判断が始まるのではないか。

これは人類の歴史で何十回となく経験してきた過程。人類の歴史はバブルとバブル崩壊の繰り返しにあった。これは近代資本主義が始まる以前から繰り返されてきたこと。ニッポンでも「奢れる平家は久しからず、諸行無常の響き有り」と平家物語に書かれたとおりである。なにもホリエモンや小泉改革がもたらしたものではない。何十年もいい気になりすぎてきた報いなのである。

みんなが「空元気」を出して、なけなしのおカネを消費に回せば景気が良くなるというものではない。今晩の日経に、昼間から「なかま」と一緒に女同士で「親子カフェ」でお酒を酌み交わす「子育て主婦」の消費パターンがあたかもすばらしいものであるような紹介記事があったが、これははっきり言ってグロテスクだ。そういうことをしている主婦の行く先は、しょせん見えている。可哀想だが自分が撒いた種だ。

不況とか恐慌というものは、人間の愚かさを是正する神様の意志だ。正面から受け入れるべきものなのである。墜ちるところまで墜ちてはじめて人間は正しい道を見いだすことが出来る。坂口安吾が言ったとおりである。




2/17 Today 安吾忌、坂口安吾没(1955)……人は正しく墜ちることが必要:"人は正しく堕ちる道を堕ちきることが必要なのだ。そして人の如くに日本も亦堕ちきることが必要であろう。堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。政治による救いなどは上皮だけの愚にもつかない物である。(『堕落論』昭和21年4月1日「新潮」収録)"


国民はみんな節約に走っているという。とても正しいことだ。今まで国民は一個二万円のメロンとかに無駄遣いをしすぎてきたからだ。これを可能にしたのが自民党のばらまき政治だが、この戦後の自民党の「クレクレ主義」のイナカへの迎合ばらまき政治のおかげで腐れ果ててしまったニッポンは、堕落の過程をまっしぐらに進んでいる。いったん墜ちるところまで墜ちないといけないのだと思う。何も、民主党が自民党の真似をすることはない(ところが今の民主党がやっていることは、戦後の自民党がやったきた「ばらまき政治」の規模拡大バージョンに成り果てている、おかしい)。

民主党内の市場重視派と自民党内の「非バラマキ」良識グループを合体し、それが旧自民党のイナカ既得権農水勢力と今の民主党のバラマキ勢力の連合と対峙することで、はじめてニッポンに正しい対立軸が誕生する。「都市対イナカ」の対立軸とも言えるし「経済合理派とバラマキ・ポピュリストグループ」との対峙であるとも言える。これが成立しないとニッポンの民主政治は成熟しない。

5 件のコメント:

須賀徹 さんのコメント...

散人さん。
あけましておめでとうございます。

坂口安吾の堕落論、ガツンと来そうですね。
未読です。

余丁町散人 さんのコメント...

おめでとうございます。坂口安吾はあの写真の顔がいいですね。最後の「文士」か。

須賀徹 さんのコメント...

アマゾンのカスタマーレビューを見ると「不良少年太宰に対して極道坂口安吾」
なんかわくわくします。

余丁町散人 さんのコメント...

そうです。最近の日本では「優等生」が幅をきかせすぎだと思う。人類の歴史を見ると、あいつら「優等生」の正解をフォローして国が救われた事例はないですね。

須賀徹 さんのコメント...

読んだ。
やはり「不良少年太宰」まで行くのかな?
毒を食らわば皿まで。