2010年1月29日金曜日

加藤良三:日本の「反米」感情のかなりの部分は「反親米」にすぎない!

今朝の日経「経済教室」で加藤良三氏が書いておられることは、とても重い。生半可なものではない。外交に一生をかけた同氏のニッポン観の集大成と言っていいだろう。同氏は「『反米』や『離米』を唱える向きの多くは、実は日本国内の『親米・知米』への恨み、つらみを述べているにすぎない。一言で言えば、これは『反米』というより、むしろ『反親米』が複雑に絡まった『コンプレックス』の症状である」と喝破する。これは日米関係にだけ当てはまる視点ではない。この「親米・知米」を「合理主義」という言葉に置き換えるだけで、現代日本で行き詰まっているほとんどすべての政治・経済問題が説明できる。

「反親米」とは「反合理主義」。「合理主義」は客観的な尺度として数字(貨幣)を持ち出すので「反親米」は「反おカネ」さらに「反資本主義」、「反グローバリズム」となる。合理主義への対抗として「反親米」派が持ち出すのは「ニッポン的ムラ文化」。昔に戻れと言うことになるが、その昔の江戸時代とは、間引きと働かないサムライの不労所得に代表される退嬰的な社会に他ならない。

この「反親米(反合理主義)」派は最近勢いづいている。自分たちが「勝ち組」になったつもりでいるらしい。ニッポンはいよいよ落ち目。

加藤良三氏は「この『反親米』感情は日本人の『甘え』である。しかし米国はある日突然キレて日本との関係を断絶なんかはしない、ただ今後ゆっくりと且つ確実に日本との距離を広げていくだろう」という。同じ日経紙面で経済同友会の牛尾治朗氏が「(今の政治状況では)企業は黙って海外に工場を移していってしまう」と述べているが、その通りだ。合理主義者は、ゆっくり且つ黙って、活動の場を少しずつ日本以外に移していくのだろう。本人は物理的に日本に住んでいても、おカネはグローバルなのである。

1 件のコメント:

余丁町散人 さんのコメント...

池尾和人先生に褒められてしまった!

Twitter / 池尾和人: この記事はよかった。http://bit.ly/c4 ...