2010年2月21日日曜日

近頃の若者たちに『ランボー全詩集新訳』を売り付けようとする河出書房の蛮勇ぶり

今朝の日経「今を読み解く」コラムで京都大学教授の岩井八郎氏が最近の若者たちを論じている。引用されているのは、欲しがらない若者たち(日経プレミアシリーズ)偶然ベタの若者たち近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」 (光文社新書)等など。岩井氏が憂鬱になられるのも分かる。おいらもそうだが、これも時代だから仕方がないかと思う。ところが、さっき本屋に行ってみて驚倒した。今月の新刊の棚にランボー全詩集の新訳本が大量に積んであるのだ:


訳者(鈴木創士)の後書きに「ランボーを読んだことのない若い読者がもしこの本を手に取ってくれるとしたら、それは私にとって望外の喜びである」とある。岩井教授の分析によれば近頃の若者は、元気がなく、保守的で、安定した暮らしをのぞみ、空気を読み、自己主張を控えるらしい。ランボーとは180度対極に位置する人格だ。その若者たちにランボーを売り付けようという河出書房はエライ。成功をお祈りしますです。

もっとも河出書房の狙いは引退して暇を持てあましている団塊の世代にランボーを売ろうとすることかもしれない。それなら分かる。訳者の思いとは裏腹に、団塊世代なら人口も多いしランボー全詩集も商業的に成功するのかもしれない。

不良中年ヨットマンのこの人もランボーが好きだそうだ:
春田薫・世界の旅: 南雲海人: "わたしの最愛の人はアルチュール・ランボー"


同じく不良の永井荷風もランボーが好きで翻訳までしている:
sangoshuu_shichu: "『珊瑚集』ー原文対照と私註ー そぞろあるき アルチュウル・ランボォ"


おいらも、荷風先生には及びもつかないが、一応不良だからランボーが好き。荷風も好きだから荷風の『珊瑚集』には私註を作ってみた:

珊瑚集私註: "『珊瑚集』ー原文対照と私註ー"

近頃の若者に元気がないのは、みんな「いい人」すぎるからではないか。文部科学省が「道徳教育」に頑張りすぎたおかげである。

2 件のコメント:

竹馬  mori さんのコメント...

私、昭和初期生まれの大婆は「道徳教育」なんて信用しません。敗戦時、道徳、常識が180度転換したのを経験し、これ位訳の分からないものは無いと。 よーし、日本から飛び出せとカナダに移住、自分では正解だったと思ってます。

余丁町散人 さんのコメント...

ホントに国民がこぞって「人と地球に優しい」とか「友愛」とか「人の痛みが分かる人に」とか言っているのははっきり言ってキモチワルイ現象です。内容がどうのこうのという問題以前に「国民がこぞって」という点がキモチワルイのです。異論を挟もうものならよってたかってイジメと村八分。竹馬さんは大正解でした。