2010年8月31日火曜日

カボチャを磨く人びと

昼のNHKを見ていたら、どっかの畑で大の男たちが一生懸命カボチャを磨いていた。艶が出て美味しそうに見えると言うのだが、味と栄養には関係ないだろう。アナウンサーはエラク感激して「これこそニッポンのこだわり農業だ」なんとか言っていたが、おいらも同感。これこそニッポン農業の(いやニッポン経済の)問題点だ。

この男たちも家に帰れば妻もいて子供もいるだろう。みんなを養わなければいけないのはわかるし、現に養っておられる。養わねばならないので当然おカネが要る。ニッポンの農家の所得水準は都市勤労者より高い。ということは農家の男の手間(期待利益)は高い。カボチャを磨いた分だけ高く売らなければ意味がない(まあ最近は所得保障があるから働かなくてもお金は入るから暇つぶしとも考えられるが、この際それは割愛)。カボチャは高くなる。消費者は余分に負担することとなり、勤労者から農家への更なる所得移転が発生する。

それより大きな問題は、ニッポンの稀少な生産資源(労働力)がカボチャを磨くというような不必要な目的に浪費されてしまうことだろう。例えば介護現場では働き手が極端に不足している(外国人介護者への労働市場開放が鍵だが、またもやこの際割愛)。カボチャを磨く方がおカネになるなら誰も介護現場では働かないから介護現場では人手不足となるのだ。

とうことで、カボチャを磨くという一見無害で美しく些末な行為が、ニッポン全体の経済の歪曲化につながっている、いやこれこそニッポン経済の象徴的問題ということを申しあげたかったのです。この種のヘンなことが、ニッポンには多すぎるんですな〜。

2 件のコメント:

yoji さんのコメント...

以下はhttp://kaysaka.blog.so-net.ne.jp/2010-08-22にある「日本は世界5位の農業大国」浅川芳裕著からの転載です。
近所に何件か農家がありますが(横浜市です)、生活に余裕がありそうで以前から不思議に思ってました。その理由の相当部分は以下のような農家優遇策に由来しているのかもしれません。士農工商そのままですね。


日本農業の真の力はどのぐらいか?
日本の国内農業生産額は8兆で世界五位
農業生産額:1.中国 2.米国 3.インド 4.ブラジル 5.日本 である。

世界の農業生産量の日本の順位
ネギ1位、ホウレンソウ3位、ミカン類4位、キャベツ5位 イチゴとキュウリ6位、キウイ6位、コメ10位、

中国産野菜はそれほど多くない。
日本における中国産野菜の依存率は0.1%。

農業の強い国ほどむしろ食糧自給率は低いこと。農業輸出大国であるオランダは自給率53%しかないのだ。

対GDP農産物輸入比率:
独2.6%、英2.4%、仏2.2%、日0.9%、米0.6%

一人当たり農産物輸入額(ドル)
英880、独851、仏722、日360、米244。

日本のエンゲル係数23%は他の先進国に比べて格段に高い。これは自給率向上政策による被害である。国産飼料による牛肉に1kgあたり一人1600円を税として支払っていること。

国産小麦は低品質なのに海外の6倍の価格であること。そしてその小麦貿易で農水省は年に1056億の特別会計を稼ぐこと。

農家の人口が多すぎる日本。
人口比で、英0.8%、米0.9%、独1.0%なのに日本は1.6%。

その正体は兼業農家にある。兼業している赤字農家100万戸の実態は、年収500万の巨大家庭菜園付き一戸建てに住むサラリーマンに過ぎない。そしてそこに年に一兆の税金が投入されているのだ。

余丁町散人 さんのコメント...

浅川芳裕氏のご本は国民の必読書の一つですね。「趣味の日曜園芸にいそしむ裕福な土地持ち兼業農家」を可哀想だとか言って一生懸命保護しようとわれわれの税金で巨額の補助金を投入するニッポン政府。これが諸悪の根源。